さとっさんの資格学習ナビ

【民法 第21回】物権的請求権 | 自分の権利を守るための「環境構成」

さとっさん
さとっさん

こんにちは、さとっさんです!
今日からはいよいよ、特定の「モノ」を直接支配する強力な権利、「物権(ぶっけん)」の世界を深掘りします。 
自分のモノを誰かに邪魔されたとき、私たちはどう動けばいいのか? 
実はこれ、保育の現場で大切にしている「環境構成」の考え方と、驚くほど共通点があるんです。
プロの眼差しで、法律のルールを優しく整理していきましょう。

1. 今日の論点

自分の持っているモノ(所有権など)を、他人が勝手に使ったり邪魔したりしている場合に、その邪魔を取り除いて本来の形に戻すよう求めることができる「物権的請求権(ぶっけんてきせいきゅうけん)」についてのお話です。

2. ここがポイント(要件・効果)

民法では、自分の権利を侵害している相手に対して、以下の3つのパターンでアプローチできます。

  • 返還請求権: 自分のモノを勝手に持っていった人に「返して!」と言う。
    • 例:他人が自分の土地に勝手に車を置いている場合。
  • 妨害排除請求権: 自分の権利を邪魔している状態を「取り除いて!」と言う。
    • 例:他人が自分の土地に勝手に建物を建てたので「壊してどいて」と言う。
  • 妨害予防請求権: 邪魔されそうな危険があるときに「対策して!」と言う。
    • 例:隣の家の塀が倒れてきそうなので「補強して」と言う。

具体的な中身と注意点

試験で狙われるのが、「誰に対して請求するか」という点です。 

原則として、今現在その場所を占拠している人に対して請求しますが、判例では例外もあります。

例えば、不法に建物を建てた人が、すでにその建物を他人に譲渡していても、登記の名義がまだその人に残っている場合は、その名義人に対して「建物を壊して土地を返せ」と請求できることがあります。

3. さとっさんの深掘りメモ|専門職フィルターで読み解いてみた

このルールを整理していて、保育の世界における「環境構成(かんきょうこうせい)」の重要性を改めて実感しました。

保育士は、子どもがのびのびと活動できるよう、玩具の配置や安全面に配慮して環境を整えます。

もし、誰かが活動を邪魔するような場所にモノを置いたり、安全を脅かす要素があったりすれば、私たちはすぐにその「環境」を修正(排除・予防)します。

「物権的請求権」は、いわば法律の世界における環境構成だと捉えることができます。 

所有者がそのモノを本来の目的通りに、安心して使える状態(環境)を維持し続ける。

侵害された「環境」を、返還や排除といったアクションでプロフェッショナルに再構成していくプロセスは、まさに保育現場での支援そのものだと感じられ、非常に腑に落ちる思いがしました。

4. 論点の核心|本試験で狙われる「実戦の視点」

「登記名義」という客観的な証拠を逃さない 

試験問題を解く際、不法占拠の事例が出てきたら、まずは「誰が登記を持っているか」をチェックしてください。 

たとえ現実に占拠している人が別の人(行方不明など)であっても、「自らの意思で登記を備えた人」は、最後まで責任を負わされる(建物収去・土地明渡の義務を免れない)という判例のロジックが、得点の鍵を握ります。 

「誰が悪いか」という主観だけでなく、「誰が対外的に責任ある立場(登記)を示しているか」という客観的な視点で選択肢を絞り込む脳の使い方を意識してみてくださいね。

5. 過去問で腕試し|「実戦の視点」をアウトプットしてみよう

本日のテーマに関連する過去問に挑戦してみましょう。

【H29 問題31 肢5】(抜粋) Aが所有する甲土地の上に、Bが権限なく乙建物を建設し、自己所有名義で建物保存登記を行った上でこれをCに譲渡したが、建物所有権移転登記がB名義のままとなっていた場合、Aは登記名義人であるBに対して乙建物の収去を求めることができる。

【H29】解答・ワンポイント解説 解答:正しい(〇) 

4. 論点の核心の「核心」で触れた通り、たとえ建物の所有権がCに移っていても、登記名義がBに残っている以上、地主AはBに対して「壊してどいて(建物収去・土地明渡)」と請求できます。

自らの意思で登記を備えた者は、その責任を負い続けなければならないという、法的な「環境構成」のルールを象徴する問題ですね。

※本記事に掲載している行政書士試験の試験問題は、一般財団法人行政書士試験研究センターより正式に掲載許諾(許諾番号:8行試セ発第42号)を得て公開しています。当サイトのコンテンツの無断転載・複写は固く禁じます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール